「食事中に銀歯がポロッと取れた」「詰め物が欠けたけど痛くないから放置している」「被せ物の色や形がどうにも気に入らない」——詰め物・被せ物のトラブルは、歯科医院への来院理由としてもっとも多いもののひとつです。
このページでは、詰め物・被せ物のよくある悩みについて、やってはいけない対応も含めて歯科医師が解説します。

✔ この記事でわかること
- 取れた直後にやるべきこと・やってはいけないこと
- 痛くなくても放置してはいけない理由
- 見た目の悩み(色・形・銀歯)の解決策
- 長持ちさせる予防のコツ
目次
詰め物・被せ物が取れた!まずどうする?
取れた直後の対応で、その後の治療が大きく変わります。
やるべきこと
- 取れたものは捨てずに保管する:状態が良ければそのまま再装着できることがあります。ティッシュに包むと誤って捨てやすいので、小さな容器やチャック袋に入れましょう。
- できるだけ早めに歯科医院を受診する:痛くなくても、です(理由は後述)。
やってはいけないこと
- 自分で接着剤でつける:市販の瞬間接着剤は口の中での安全性が確認されていないうえ、ズレて接着されるとかみ合わせが狂い、外して再治療することも難しくなります。
- 取れた側で強く噛む:詰め物が取れた歯は薄く欠けやすい状態です。硬いものを噛むと歯そのものが割れることがあります。
- 取れたものを自分ではめて過ごす:食事中に外れて誤飲したり、気づかないうちに飲み込んだりする危険があります。
なぜ取れるのか
詰め物・被せ物は歯科用セメントで接着されていますが、セメントは経年的に劣化して溶け出していきます。また、接着していた歯との境目からむし歯(二次う蝕)ができて土台が崩れると、外れやすくなります。歯ぎしり・食いしばりによる強い力も脱離の原因になります。
つまり「取れた」は単なる接着切れではなく、中でむし歯が進んでいるサインであることが少なくありません。
痛くなくても放置してはいけない理由
- 詰め物が取れた部分は象牙質がむき出しで、むし歯の進行が非常に速い状態です。
- 欠けた縁で舌や頬を傷つけることがあります。
- 放置すると隣の歯が動いたり、かみ合う歯が伸びてきたりして、元の詰め物・被せ物が入らなくなり、治療が大がかりになります。
「痛くないから」と数ヶ月放置した結果、神経を取る治療になってしまうケースは本当に多いです。取れたら早めの受診が結局いちばん安く、早く済みます。
見た目が気になる(色・形・銀歯)
被せ物の形・色が気に入らない
被せ物は歯科医師の指示と歯科技工士の製作によって作られるため、仕上がりの形や色には一定の幅があります。セメントで本着する前であれば、色や形の修正・再製作を相談できることがありますので、装着前に鏡で確認して気になる点は遠慮なく伝えましょう。すでに装着済みのものを直したい場合は、基本的にやり替えになります。
詰め物の色が合わなくなってきた
プラスチック(レジン)の詰め物は経年的に変色します。もともとの歯の色と材料の色が合っていないケースもあります。気になる場合はやり替えで対応します。
銀歯を白くしたい
奥歯の銀歯は、セラミックなどの白い材料へのやり替えが可能です。部位や条件によっては保険適用の白い被せ物(CAD/CAM冠)が選べる場合もあります。選択肢は歯の位置やかみ合わせによって変わるため、歯科医院でご相談ください。
詰め物・被せ物を長持ちさせるために
- 境目を丁寧に磨く:二次う蝕は詰め物と歯の境目から始まります。フッ素入り歯磨き粉の使用がおすすめです。
- 歯ぎしり・食いしばりの対策:心当たりがある方はナイトガード(マウスピース)を検討しましょう。
- 定期検診:セメントの劣化や境目のむし歯は自分では気づけません。定期的なチェックで「取れる前に」手を打てます。
まとめ
詰め物・被せ物が取れたら、「捨てない・つけない・放置しない」の3原則を思い出してください。そして見た目の悩みは、装着前の確認とやり替えの相談で解決できることがほとんどです。気になることがあれば、かかりつけの歯科医院に相談してみてくださいね。
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