目次
歯磨き粉の選び方
虫歯予防、歯周病予防、ホワイトニング効果のあるもの等、
様々な物がありますが、歯磨き粉の1番の虫歯予防効果は「フッ素」という物質によるものです。
最近ではフッ素の濃度が1450ppmの高濃度フッ素が出ているので、こちらがオススメ!(6歳以下のお子様は使用を控えてください)
※6歳以下のお子様が高濃度のフッ素を多量に摂取すると、歯のフッ素症(歯に白い斑点ができたりする病気)を引き起こす可能性があります。
Check Up
低発泡、低研磨、低香味により口の中が泡だらけにならず、どこを磨いているのか、がよく分かります。低研磨なので磨き過ぎによる歯茎の退縮や、歯の磨耗を予防できます。お子様には甘い味のついているタイプもあります。(下の画像の内、真ん中のタイプ)
もし泡がある方がいいという方であれば泡タイプのものも販売しているようです。 (下の画像の内一番右のタイプ)
システマ、クリニカ
こちらはほとんどの薬局で購入することが可能な、高濃度フッ素配合のものになります。下のリンクからも購入できます。
あくまで、しっかりと歯ブラシで汚れを落とした上で、さらに歯を保護する目的でこういった物を使用すると効果的です。
また、口腔ケアのためには歯磨き粉だけではなく、適切な歯ブラシを選択することも重要になってきます。
歯ブラシの選び方については「適切な歯ブラシの選び方」のページで詳しく解説しています。
知覚過敏症状がある方
知覚過敏症状は軽度のものであれば、ご自宅でケアを行うことによって最善させることができます。
知覚過敏のある方に市販品でおすすめなのは「シュミテクト」です。
もちろん毎日使い続けなければあまり効果は期待できませんが、
この歯磨き粉を定期的にお使いいただくと軽度の知覚過敏であれば、改善が見込めます。
こちらの歯磨き粉はもちろん殆どの薬局でお求めいただけますが、
念の為、下にもリンクを貼っておきます。
プロバイオティクスについて
歯磨き粉については基本的に上記のようなものが主流になっており、フッ素による恩恵も十分に受けることができます。
ここからは、もうちょっと踏み込んで虫歯予防について知りたい!
という方向けに、フッ素ではない、少し変わったう蝕予防についてご紹介していきます。
みなさんは、あの人は全然歯を磨いてないのに虫歯になるけど、
私はしっかり磨いているのに虫歯や歯周病になってしまう(もしくはその逆)、というような経験ありませんでしょうか?
虫歯や歯周病のなりやすさは、
・歯の質
・唾液の性状
・善玉・悪玉の常在菌のバランス
などによって大きく左右されるのです。
近年プロバイオティクスと呼ばれる、う蝕の予防方法についても注目が集まってきています。
プロバイオティクスとは
みなさんもLG21やR-1などのヨーグルトがコンビニやスーパーにおいてあるのを見かけたことはないでしょうか?
あのヨーグルトはプロバイオティクスの概念から開発された商品なのです。
プロバイオティクスとは以下のようになります。
腸内や口腔内の細菌のバランスを改善し、からだによい効果をもたらす生きた細菌のこと。ヨーグルト、チーズ、味噌、糠漬け、納豆などの発酵食品に含まれる。(Quint Dental Gate)
お口や腸の中には常在菌と言って、無数の細菌が住み着いています。
その中には、虫歯や歯周病を引き起こす菌もいれば、逆にそういった悪玉菌を抑えるような善玉菌もいます。
善玉菌の働きを活性化して悪玉菌を抑制し、口腔内や腸の働きをよくすることで、全身の健康増進を図ろうとする分野なのです。
プロバイオティクスの条件についても示しておきます。
ープロバイオティクスの条件ー
①安全性が保証されている
②もともと宿主の腸内フローラの一員である
③胃液、胆汁などに耐えて生きたまま腸に到達できる
④下部消化管で増殖可能である
⑤宿主に対して明らかな有用効果を発揮できる
⑥食品などの形態で有効な菌数が維持できる
⑦安価かつ容易に取り扱える
最近では、’ロイテリ菌’といった言葉をよく耳にするのではないでしょうか?
予防先進国のスウェーデン式の予防歯科を取り入れている歯科医師の先生方の中には、ロイテリ菌のタブレットやガムを使ってもらうことで、
口の中の善玉菌の数を増やし、歯磨きが多少うまくなくても、そもそも虫歯のできない環境に近づけてしまおうという試みをされている方もおられます。
ただし、このプロバイオティクスの概念は検証が難しく、エビデンスに乏しいという一面を持っています。
なので、しっかり歯磨きやフッ素などのケアを行った上で、こうした物も取り入れていくとよいのではないかと個人的には感じています。
では具体的にどんなものが実際に使われているのかを最後に紹介して終わりにします。
ロイテリ菌とは
最近よく耳にするようになったロイテリ菌(Lactobacillus reuteri)。
その正体はヒトの母乳由来の乳酸菌です。
それが新生児の腸内に定着し、様々な働きをします。
ロイテリ菌はロイテリンを産生し、この物質は、虫歯菌や歯周病菌を抑制することが知られています。
ロイテリ菌の働き
1.虫歯菌(ミュータンス菌)の抑制
2.中・重度の歯肉炎を緩和
3.口臭原因菌の抑制
4.ピロリ菌感染症抑制
5.アトピー性皮膚炎などのアレルギーの抑制
などです。
現在までのところ、世界で65億食以上が摂取されており、
摂取による副作用・反作用などはなく、安心・安全が謳われています。
90以上の国と地域で、小児科や産婦人科などの医療機関で採用されています。
また、アメリカ食品医薬局からも、安全性を認証する「GRAS」という称号を取得しているようです。
ある知り合いの歯科医院では患者さんが検診に来院された際に、
タブレットを一つ服用してもらう、という形をとっているようです。
ロイテリ菌に関する商品は市販のものと、医療機関専用のものがあります。
市販のものは以下のリンクでも買えます。
ただし、いくら安全を謳われているとはいえ、用法用量を正しく守ってお使いくださいね。
ブリス菌とは
ブリス菌もロイテリ菌と同じくプロバイオティクスに関わる菌ですが、
ロイテリ菌はもともとは腸内の常在菌であるのに対して、
ブリス菌はもともと口腔内の常在菌であり、ロイテリ菌よりも定着率が高い菌なのです。
ブリス菌については
「ー歯磨き嫌いなお子様を持つ方へー健康な歯を育む「ブリス菌」の正体とは?」
のページで詳しく解説しておりますので、よければそちらをご参照ください。
まとめ
この世に流通している歯磨き粉の数はとても多いですが、
フッ素配合量や、研磨性があまりありすぎない(歯が削れにくい)など、
見るべきポイントは決まっています。
またプロバイオティクスは予防の概念を一気に躍進させるポテンシャルを持つ分野ですが、
まだエビデンスが十分とは言えません。
今回ご紹介させていただいた情報を参考に、歯磨き粉を適切に選んで、今までの口腔ケアを維持しつつ大切な歯を一生守っていきましょうね。
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