顎関節脱臼とは
あくびをしたり、歯科治療や気管支鏡検査などの際に大きく口を開けると、関節の運動支点となっている下顎頭(かがくとう)が正常な可動域を越えて、関節から外れて口が閉じられなくなることがあります。これが顎関節脱臼です。いわゆる、あごがはずれた状態です。
脱臼がちょっとしたことでおこり、習慣性になってしまうこともあります(習慣性脱臼 しゅうかんせいだっきゅう)。
症状
面長の顔となり、上下の唇が閉じられなくなり、よだれが出たり、顎関節部に痛みや緊張感がみられます。耳前の顎関節部は陥凹し、その1〜2cm前方が隆起します。
また、片側のみの顎が外れた場合、顎が健側変位します。
治療
術者があごを動かしてもとに戻します(徒手的整復)。もとに戻した後にすぐに再発することがあるので口が開かないような処置を追加します。はずれることが癖になっている方(習慣性脱臼)には手術をすることがあります。
術者が患者の前に立つHippocrates法と術者が患者の後ろに立つBorchers法があります。
この方法はご自身で行うことも可能ですが、無理やりやると顎を痛める原因となりますので、お近くの歯科医院か口腔外科のある病院にて行ってもらってください。
ご自身でのやり方についても記載しておきます。
① まず、出っ張っている位置を確認します。
顎の関節のあたり(耳の前辺り)に盛り上がっている部分があります。
顎の関節が外れて、前方に飛び出していることによって生じます。
② 次に、両側の盛り上がりの上側を囲むように、指を3本当てるようにします。
人差し指と中指、薬指を使って、盛り上がりを囲むようにするとやりやすいです。
③ その盛り上がりを後ろかつ下方に移動
指を当てることができたら、顔の皮膚も一緒に、やや後下方に、その盛り上がり部分を押していきます。
その時、必ず顎の力を十分にぬいてから試してください。
成功すると、かくん!という音とともに顎がもとに戻って閉じるようになります。
1回でうまく行かない場合は、何度か挑戦してみてください。
開咬とは
開咬とは、上下の歯を噛み合わせたときに前歯が噛み合わない前歯部開咬と、臼歯が噛み合わない臼歯部開咬の2つに分けられます。
原因
遺伝的要因、環境的要因、胎生期の発育障害、発育障害、不適当な萠出誘導、口呼吸、舌癖、おしゃぶり、指しゃぶり等
治療法
1、2歯の開咬であれば、被せものによる治療でも解決できる可能性がありますが、ある程度複数の歯が開咬を示すようであれば、その原因は骨格性のものであることが多く、
開咬状態のままで修復あるいは歯周治療をうまく行えないようであれば、外科処置を伴う包括矯正歯科治療を考える必要があります。
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