衛生

電動歯ブラシについて

君子は本を努む。本立ちて道生ず。孝悌なるものはそれ仁の本たるか。

君子は根本のことに努力する。根本が定まってはじめて道もはっきりする。孝と悌ということこそ、仁徳の根本であろう。

-論語 岩波文庫 P.21 より引用-

Hanet のshun です。
今日も歯について書いていきますねー

歯を守るためにすること、その根本は「歯磨き」
先日、テレビを見ていると面白い商品が紹介されていました。

それがコチラ!
ドン・キホーテ・電動歯ブラシ製造マシーン

 

普通の歯ブラシに装着するだけで電動歯ブラシになるという商品。
これが一本あれば家族で使えますし、普通の電動歯ブラシよりも安価で済むそうです。
私はまだ使用していませんが、なるほどなぁ。と感心した商品でした。

しかし!!
商品紹介だけではHanet 終わりませんよ!!
電動歯ブラシは使ったらそれで歯がピカピカになる、というイメージがあるかもしれませんが、電動歯ブラシにも長所、短所があるのです。

今回は、電動歯ブラシについての歯科医師としての私個人の考えを述べていきたいと思います

電動歯ブラシはよく落ちる!!

知っとるわい!!と、ツッコミが聞こえてきそうですが、電動歯ブラシの長所は何といっても『よく取れる!』ことです。

電動歯ブラシを使用されている方はよくわかると思いますが、歯磨き粉を使っていなくても使用後は歯がつるつるに感じられると思います。

それはその通り歯ブラシが当たるところが『よく取れる!』からです。
特に着色や歯石がつきやすい方にはお勧めといえます。

電動歯ブラシを使って磨き残しが増える?!

電動歯ブラシの特徴は『よく取れる!』ことですが、あくまでこれは歯ブラシの毛先が当たっているところの話で、当たらないところは『全く』落ちません!!

電動歯ブラシはヘッドの部分が大きいことが多いことと、振動で『磨いてる感』を感じやすいためか、電動歯ブラシに変えたことで逆に奥歯の外側(頬側)や歯と歯の間の汚れが増える方が時々いらっしゃいます。

当然みんなそうなるわけではありませんが、ここで伝えたいことは電動歯ブラシは万能ではないということです。電動歯ブラシを使用していてもフロスや歯間ブラシは併用してくださいね。

電動歯ブラシで注意すべきこと①電動歯ブラシは磨き方が全然違う

主導の歯ブラシはシャカシャカと歯ブラシを細かく動かすことで汚れを落としますが、超音波や音波で毎分1万回以上振動している電動歯ブラシは毛先をそのまま動かすだけでいいんです。

変に動かしすぎると歯ぐきを痛めたり、逆に磨き残しを増やしてしまうこともあります。

電動歯ブラシで注意すること②知覚過敏になりやすい?!

何度も言っていますが電動歯ブラシは『よく取れる!』

でもよく取れることはいいことだけではありません。
歯ぐきが下がっていたり、歯がしみたりしやすい方は、電動歯ブラシを使用するのは要注意です。歯の根っこは象牙質でできているため歯ブラシで強く磨くと削れてしまい知覚過敏になることがあります。

電動歯ブラシもよく取れる分、知覚過敏のリスクはどうしても上がってしまいます。毛先の当て方は十分注意して使用しましょう。そういう方は歯ブラシ粉は使用しない方がいいかもしれませんね。

意外?!電動歯ブラシは高齢の方にこそ勧めたい?!

いろいろ言ってきましたが、電動歯ブラシは介護の現場など高齢の方への需要が増えていくと考えています。

高齢になり手足が動きにくくなったかたや認知症が始まった方は歯ブラシを細かく動かすことが難しくなり、プラークコントロールが急激に悪くなることがあります。

そういう方には電動歯ブラシが非常におすすめ。ザーッと歯ブラシを動かすだけで70%近いプラークを取ってくれる電動歯ブラシは非常に有用です。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございました。
電動歯ブラシはとにかく当てたら落ちるんです。

だからこすらなくてもいいし、早いし、楽なんですが、毛先が当たらないところは落ちていないということは知っておいてくださいね。

ほな!Hanet の shun でした。

ABOUT ME
shun
2017年卒業。100年時代の口腔を守るには良い治療と共に質の高い予防が絶対不可欠!と思い日々診療、研究に取り組んでいます。このサイトでは歯のお悩みに対して何がおきているのか、どういう治療が出来るのか、何故そうなってしまったのか、今後どうすれば予防出来るのかを分かりやすくお伝えできればと思います。よろしくお願い致します。
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