唾液が歯を再石灰化させる?
突然ですが皆さん唾液(だえき)の作用ってご存知ですか・・・???
食べ物を消化するため?それともしゃべる時にベロが口の中でひっつかないようにするため?
んー、、、どれも間違いではなさそうですね〜
実は唾液には皆さんが思っているよりもずっと多くの作用があり、私たちの生活にはなくてはならないものとなっているんです!
その作用の中には、歯を再石灰化させるという夢のような作用もあるのです。
それでは今回の記事では、そんな唾液の代表的な作用について見ていきましょう!
1唾液とは
そもそも唾液って?と思われている方もいるかもしれないので唾液について簡単におさらいしましょう^^
唾液とは俗に言う「つば」です。酸っぱい梅干やレモンなどを想像するとやたらでてくるアレです。
唾液には漿液性(しょうえきせい):さらさらのつば、と粘液性(ねんえきせい):ねちょねちょのつば、の二種類があり、唾液はどの唾液腺から出てくるかによって大体性質が決まっています。
ちなみに、唾液の1日の分泌量ってご存知ですか??
実は!!1日に約1〜1.5リットルほどなのです!
つまり、1日に大きな1.5リットルペットボトル一杯分なのです!
すごいですよね!これだけのつばが1日にでているわけです!
2唾液の作られる場所
ここで、ん?唾液腺って???て思っているそこのアナタ!はい!それこそ唾液が作られている場所なのです!!
人体には唾液腺がいくつかあり、大唾液腺と小唾液腺に分けられます。
大唾液腺は耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)の三つに分けられます。
耳下腺はその名の通り耳の下、というよりも耳の少し前方付近に位置しています。ここから出る唾液は漿液性:さらさら、です。
顎下腺はその名の通り顎の下、、、というよりも少し後ろ側(内側)にあります。ここから出る唾液は混合性:さらさらとねちょねちょがまざっている、です。
舌下腺はその名の通り舌の下、、、にあります!ここからでる唾液は粘液性:ねちょねちょ、です。
粘液性の割合が高いほど唾液腺は詰まりやすくなっていき、舌下腺が極端に詰まってしまったものを「ガマ腫(がましゅ)」といいます。。。
ガマ。。。
小唾液腺は口の中の色々な部位にあり、唇、舌、頬、口蓋(こうがい)などの部分にあります。これらは混合性のものが多いですが、漿液性、粘液性のものもあります。
3唾液の作用
やっとか!という声が聞こえてきそうですが^^;
お待ちかねの唾液の作用です!!
唾液の作用は大きく分けて次の9つあります。
物理的作用
①潤滑作用:口の中の粘膜を唾液が覆うことによって、潤いを持たせ、食べ物や舌などの粘膜同士が滑らかに動けるようになります。
②粘膜保護作用:同じく口の中の粘膜を唾液が覆うことで外からの様々な刺激から粘膜を保護してくれます。
③咀嚼の補助作用:口の中の歯や粘膜を唾液が覆うことで、食べ物を咀嚼(そしゃく)する際に、食べ物がまとまりやすく、歯や粘膜にくっつきにくくなります。
④洗浄作用:歯の表面や粘膜の表面についた小さな食べ物のカスなどを洗い流してくれる作用があります。
化学的作用
⑤消化作用:唾液中にはアミラーゼという酵素が含まれており、その酵素によってデンプンの分解が促進されます。
⑥溶解作用:味を感じる部分を味蕾(みらい)といい、この部分に食べ物等が溶けた成分が接することによって人間は味を感じることができます。なので唾液がなければほとんど味を感じることができません。
⑦緩衝作用:緩衝(かんしょう)作用とは、オレンジジュースやなどの酸性の飲み物などを中和し、口の中を中性に保ちます。
生化学的作用
⑧抗菌作用:唾液の中に含まれるリゾチームや、IgAなどのタンパク質が、抗菌作用を示します。
⑨排泄作用:抗菌剤などの体内に投与された薬物の一部は、唾液中に排泄されて血中の濃度を下げます。
⑩再石灰化作用:カルシウムイオンとリン酸イオンを補給し、ミネラル喪失のために、その結晶構造がスカスカになっている歯の表層下脱灰層(初期虫歯)に対して、エナメル質の結晶を新しく形成します。
まとめ
唾液には色々な作用があることがわかりました^^
たしかに唾液には再石灰化をする作用がありますが、その恩恵を受けられるのはあくまでエナメル質の表層のちょこっとの部分だけに限られます^^;
唾液のおかげで虫歯が治るんじゃないかと思ったそこのアナタ!世の中はそんなに甘くありませんよ!( *`ω´)笑
歯磨き頑張ってくださいね!
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