衛生

歯ぐきの腫れを抑える成分

歯ぐきの腫れを抑える成分のイラスト

歯磨き粉に含まれる成分について紹介させていただいておりますが今回は歯ぐきの腫れを抑える成分について紹介させていただきます。

歯ぐきの炎症を抑える成分は歯周病で歯から血が出やすくなったり、痛みを感じやすくなっているときに症状を緩和してくれます。

具体的な成分について説明していきます。

歯ぐきの炎症を抑える成分

トラネキサム酸

トラネキサム酸は抗プラスミン作用を持つ成分で歯ぐきからの出血を抑えます。また「しみ予防」にも効果があり化粧品にも含まれています。

プラスミンとは血栓を溶かす作用がある酵素で、脳梗塞などが生じた場合血管に詰まった血栓を溶かすためにプラスミンを多く作らせるt-PAという薬を用いたりします。

歯ぐきが腫れていると出血しやすくなっているため、このプラスミンの作用を抑えることで出血しにくくなり、歯ぐきの腫れを抑えることができます。

トラネキサム酸を使用したもの

イプシロンアミノカプロン酸

これもトラネキサム酸と同じく抗プラスミン作用を持つ成分で止血作用があります。プラスミノーゲンに結合し活性化を阻害することでフィブリン分解による出血を抑えます。

グリチルリチン酸ジカリウム

これは漢方の甘草(カンゾウ)由来の成分で独特の甘みを持っています。強い抗炎症効果を持ち刺激性の少ないことが特徴で、そのため敏感肌向けの化粧品にも配合されます。
グリチルリチン酸ジカリウムを使用したもの

また組織修復作用をもつ成分としては塩化ナトリウム、ヒノキチオール、アラントイン、パンテノールなどがあります。

今回は炎症を抑える成分について説明させていただきました。

これら成分は歯周病を防ぐ・予防するというよりも歯周病になった人の症状を抑えて悪化を防ぐ成分ですので、全く歯ぐきが腫れてない人には不必要な成分かもしれません。

歯周病を予防するには一日一回しっかりと汚れを落としきることが大切です。

ただ自分では落としきれない場所の汚れや、硬い歯石になって歯磨きでは取れない汚れを落とすことは歯医者さんでしかできないことなので年に3-4回の定期検診は重要です。

また歯周病はサイレントディジーズと呼ばれており症状が出にくいのが特徴で歯ぐきの腫れがないと自分では思っていても実は腫れているということがあります。

歯周病は国民の3人に2人が罹患しているといわれています。

なので歯ぐきの腫れの自覚はなくても実は歯周病になっていて、始まっていることがあるからそういう成分が入った歯磨き粉を使うことは意味がある。と私は考えています。

次回は知覚過敏に効く成分について説明していきたいと思います。

執筆・監修:林 剛永(Taketo Hayashi / Kangyeong Lim)

日本・米国の両方の歯科医師免許を持つ現役歯科医師(口腔インプラント専門)。プロフィール詳細はこちら

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合は歯科医院にご相談ください。

ABOUT ME
林剛永 D.D.S., M.S., DABOI
2015年 大阪大学歯学部卒業。大阪大学歯学部附属病院での研修、約4年間の開業医勤務を経て、2020年より米国カリフォルニア州 Loma Linda大学大学院に留学し、インプラント歯科学を専攻・修了。ABOI/ID(米国口腔インプラント学会)ボード認定医(Diplomate)。現在は、インプラント治療を中心に臨床に従事しています。大学卒業後、各歯科医院によって方針や治療の幅や質にとても大きな違いがあることに驚き、患者さんが自分に最もあった治療を受けられるようになる一助になればと願い、当サイトを立ち上げました。
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