皆さんいつも使用されている歯磨き粉ってどう選んでいますか?
CMでなんとなく良さそうな雰囲気だったり、値段が安かったり、なんとなく高級感があるものだったりで選んでませんか?
今日は歯磨き粉を選ぶときにぜひ確認していただきたい成分、とくに効果が証明されている薬用成分についてお伝えしたいと思います。
ちなみに薬用成分が入っていない歯磨き粉は【化粧品】、入っている歯磨き粉には【医薬部外品】、【一般用医薬品】などと書かれています。
このシリーズでは薬用成分を
1.虫歯予防のための成分
2.殺菌作用のある成分
3.歯ぐきの腫れに効く成分(抗炎症)
4.知覚過敏に効く成分
に分けて紹介したいと思います。
虫歯に効く成分
フッ化物(フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムなど)
ナノHAP(ハイドロキシアパタイト)
CPP-ACP
フッ化物
いわゆるフッ素と呼ばれるもので、虫歯予防の成分として知っている方も多いかと思います。フッ素は虫歯予防効果は臨床的にも証明されており、海外では虫歯予防のために水道水に微量のフッ素をいれる国もあるなか、日本はフッ素を大量に摂取することで中毒症状や歯に白斑ができるリスクがあるため歯磨剤や水道水中のフッ素の含有量を厳しく制限しております。フッ素の有効性などについてはこちらの記事に詳しく書かれています。
世界で最も多い病気から身を守ろう! 知られざるフッ化物(フッ素)の有効性
現在日本で配合できるフッ素含有量の上限は1500ppmとなっておりフッ素による虫歯予防を期待したい方は1450ppmと書かれた歯磨き粉を選んでいただければと思います。
ナノHAP
ナノHAP(ナノヒドロキシアパタイト)は歯の主要成分であるヒドロキシアパタイトと同じ成分で再石灰化を促進するフッ素に対し、ナノHAPはそれ自身が歯の微小な隙間に入り込み再石灰化するといわれています。ミクロの傷をふさぐことで歯がつるつるになり歯垢の吸着を防ぐため審美目的の歯磨剤に含まれています。
ナノHAPを使った歯磨き粉
CPP-ACP(リカルデント)
この成分は薬用成分ではありませんが虫歯の予防に効果があるといわれている成分です。
CPP-ACPには歯の構成要素であるカルシウムとリン酸イオンが豊富に含まれ再石灰化を促進します。ただ牛乳由来成分が含まれているため牛乳アレルギーの方は使用できませんのでご注意ください。
CPP-ACPを使った歯磨き粉
今回は虫歯予防に効果があるとされる成分を紹介しました。
次回は殺菌作用のある成分について紹介したいと思います。
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