海外歯科キャリア

アメリカで歯科技工士として働く方法

前回はアメリカで歯科衛生士として働く方法を紹介しました。今回は、歯科技工士としてアメリカで働く方法です。日本では歯科技工士は学校を卒業し、国家試験に合格する必要があります。もともとの器用さに加えて歯科の深い知識も兼ね備えているため、日本人の歯科技工士はアメリカでとても重宝され、セラミストなどは特に羨望の対象となっています。

この記事の要点

  • アメリカでは歯科技工士になるのに国家資格は必須ではない。実務トレーニング/学校/CDT認定など複数の道がある。
  • CDT(Certified Dental Technician)は実技1回+筆記3回を4年以内に合格する認定。ADAも推奨。6つの専門分野から選べる。
  • 資格必須の日本の歯科技工士は米国で高く評価される。腕次第で高給も狙える魅力的な職業。

アメリカで歯科技工士になるには?

歯科医師や歯科衛生士になるには国家試験の合格が必要ですが、歯科技工士は必ずしも専門教育を受けたり資格試験に合格したりする必要はなく、いくつかの道があります。以下でそれぞれ見ていきます。

① 実務トレーニング

一部の歯科技工所では、最新の設備や技術を用いた実務的なトレーニングを提供しており、実際に歯科技工の業務に従事しながら技術を学ぶことができます。体系的な知識を学ぶのは難しいものの、早く必要な技術を身につけられる道です。小規模なオフィスでは、歯科衛生士などのスタッフが歯科技工士の業務を代行している場合も珍しくありません。

② 学校への入学

もう一つの選択肢は、専門学校・歯科大学・コミュニティカレッジで資格や準学士号を取得することです。これらの教育機関では、専門用語を学び、歯科補綴技工全般の集中的なトレーニングを受けられます。多くの雇用主は、こうしたプログラムの修了者を高く評価します。

③ アメリカの認定試験(CDT)

National Board for Certification in Dental Laboratory Technology(NBC)は、CDT(Certified Dental Technician)認定プログラムを提供しています。この試験は1回の実技試験と3回の筆記試験で構成され、4年以内に合格する必要があります。CDT認定は、資格保有者の技術と知識が検証されていることを雇用主に示すことができ、ADA(米国歯科医師会)も積極的に推奨しています。受験者は、インプラント/セラミック/矯正/クラウンとブリッジ/部分義歯/総義歯の6つの専門分野から選択できます。優れた技工士は、歯科医院の期待や患者の満足度を超えるために、常に技術と芸術的スキルを磨き続ける必要があります。

日本の歯科技工士とCDT認定

日本では、歯科技工士学校で2年以上学び、国家試験に合格した歯科技工士が、CDT認定技工士よりも歯科医師から高い信頼を得ているのが実情です。アメリカで歯科技工士として働くこと自体はそこまでハードルが高くありませんが、腕次第で高給も狙える非常に魅力的な職業です。私の知り合いの技工士さんは、金曜半休・土日休みで、年収1,000万円以上を稼いでいます。

日本では保険制度の影響もあり、歯科技工士さんの待遇は決して良いものとは言えません。アメリカで歯科技工士として“アメリカンドリーム”を掴んでみるのも、とても素敵な人生の選択肢の一つかもしれません。年収の詳細は「アメリカの歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士のお金事情」もあわせてご覧ください。

以上が、アメリカでの歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士に関する一般的な情報でした。「他にもこんなことを知りたい」というご要望がありましたら、ぜひお問い合わせやLINEからお気軽にご連絡ください。


執筆・監修:林 剛永(Kangyeong Lim / Taketo Hayashi)DDS, MS, DABOI/ID, DAO・平和歯科医院(愛知県西尾市)著者プロフィールを見る
大阪大学歯学部卒、米国 California 州 Loma Linda University Implant Residency 修了(DDS, MS)。日本歯科医師免許・米国歯科医師免許保持。米国インプラント学会(ABOI)認定専門医。

歯科技工士の教育・CDT認定(NBC)の要件は年度により異なり、改定されることがあります(本記事の元情報は2025年時点)。受験・就労の可否は、NBC・ADA等の公式情報で必ずご確認ください。年収は個人差が大きく、記載の例は特定個人の事例です。

ABOUT ME
林剛永 D.D.S., M.S., DABOI
2015年 大阪大学歯学部卒業。大阪大学歯学部附属病院での研修、約4年間の開業医勤務を経て、2020年より米国カリフォルニア州 Loma Linda大学大学院に留学し、インプラント歯科学を専攻・修了。ABOI/ID(米国口腔インプラント学会)ボード認定医(Diplomate)。現在は、インプラント治療を中心に臨床に従事しています。大学卒業後、各歯科医院によって方針や治療の幅や質にとても大きな違いがあることに驚き、患者さんが自分に最もあった治療を受けられるようになる一助になればと願い、当サイトを立ち上げました。
LINEで受け取る

LINE@にて、歯科関連の英語論文を日本語に翻訳し分かりやすく解説して配信しています。
今だけ無料で登録できるので、この機会に「お友達登録」してみてはいかがでしょうか?

LINEで論文解説を受け取る