海外歯科キャリア

アメリカの歯科事情

こんにちは、皆さん!

前回の自己紹介では、これから発信していきたいことのアウトラインをお伝えしました。今回はその手始めとして、アメリカの歯科事情についてお話ししていきます。

この記事の要点

  • アメリカは規模も気候も州ごとに大きく異なり、歯科医療のかたちにも文化・制度の違いがはっきり表れます。
  • 米国では歯科衛生士の多くがパートタイムで複数の歯科医院を掛け持ちして働きます(BLS:約94%が歯科医院勤務)。
  • 州によっては、歯科助手も所定の研修・資格でレントゲン撮影が可能です。

観光ガイドブックを見ると、「アメリカ合衆国は北アメリカに位置する魅力的な国で、大西洋から太平洋まで広がる国土に美しい自然と多様な文化・気候があり、自由と民主主義を重んじる世界でも最も多様性のある国の一つ……」といった紹介をよく見かけます。

実際に私がアメリカに住んで受けた第一印象は――とにかく自然の規模が本当にでかい! ピザもでかい、まつぼっくりもでかい(笑)。

アメリカのでかいピザ
ピザがでかい!
手のひらと同じくらい大きなまつぼっくり
まつぼっくりもでかい!笑

アメリカで生まれた人が日本に来ると、日本の街がすべてミニチュアのように見える、と聞くことがあります。それが納得できてしまうくらい、アメリカは規模が桁違いです。ただの国道を走っているだけなのに、大きな山々が視界いっぱいに広がり、大自然の中を冒険しているような気分に浸れます。また州や気候がまったく異なり、州を一つまたぐだけで違う国に来たような感覺になることもしばしばです。

Arrow Head からの風景
下宿先の家から20分くらいの場所にあるArrow Head からの風景。

私が住んでいたカリフォルニア州サンバーナディーノという地域は砂漠気候で、夏はとても暑く、ほとんど雨が降りません。10月から4月頃までが雨季ですが、それでも雨を見ることは稀で、一度降り出すと1週間ほど続くこともあります。

アパートメントのプールでの交流
どのアパートメントコンプレックスにも大体プールがあり、近隣住民との交流も盛ん。

夏になると、山火事がよく起きていました。自然発火のこともありますが、タバコの不始末などの人災による火災もあります。

Yucaipaの山で起きた山火事
Yucaipaにある山に起きた火事。家の近くにも灰が降っていました^^; めちゃ暑かった><

また、7月4日の独立記念日の夜は各地で花火が打ち上げられます(ただし多くは非公式……)。それによる火災もあり、その日はいたるところで消防車を見かけます。さすが自由の国。ちなみに肝心の花火は、公式の海岸で行われるものでも、個人的には日本の花火には遠く及ばないと感じ、改めて日本の花火のクオリティの高さに感服しました。

個人が打ち上げる花火
このような単発から数発の花火を様々な人が勝手に打ち上げているという、日本ではなかなかみない現象。

ここで少し数字の話を。多くの人が「アメリカ」と聞いて想像するのはアメリカ合衆国(United States)で、全50州のうちハワイ州とアラスカ州を除く48州が地続きです。米国国勢調査局によると、2023年1月1日時点の推定人口は約3億3,423万人で、インド・中国に次ぐ世界第3位です※1

アメリカの歯科医療の現場は、日本とどう違う?

同じ「歯科医療」でも、文化・政治・生活形態の違いから、アメリカと日本では現場のかたちが大きく異なります。

この国でも歯科医療者が日々、患者さんの健康を守るために働いています。ただ、日本と比べると、働き方やスタッフの役割に違いがあります。

たとえば日本の歯科医院では、歯科衛生士がその医院の常勤スタッフとして働くことが多いですが、アメリカでは歯科衛生士がパートタイムで複数の歯科医院を掛け持ちして働くことも珍しくありません。米国労働統計局(BLS)によると、歯科衛生士の約94%が歯科医院に勤務しており、パートタイム勤務が多いことから、複数の歯科医師のもとを掛け持ちして働く人もいます※2。さらに州によって法律は異なりますが、歯科助手も学校などで学び所定の資格を取得すれば、レントゲン撮影を行うことができます※3。さらに、

働き方の幅が広いのも、アメリカならではの特徴です。私が現地で出会った中には、臨床の現場に立つだけでなく、歯科衛生士としての資格や専門知識を活かして、歯科材料・歯科薬品を扱う企業と提携し、特定の医院に雇われない形で活躍している人もいました。資格を土台にキャリアの選択肢が大きく広がっている点は、日本とは異なる魅力といえるでしょう。

医科・歯科のオフィスが立ち並ぶ建物
家の近くの、医科・歯科のオフィスが立ち並ぶ建物。日本と同様、クリニックの綺麗さや大きさは、それぞれの場所やドクターによる。

次回からは、アメリカの歯科事情をもう少し掘り下げていきます。お楽しみに! 「こんなことを知りたい」というご要望があれば、LINEやお問い合わせからお気軽にどうぞ。

参考

  1. United States Census Bureau「Happy New Year 2023」 https://www.census.gov/library/stories/2022/12/happy-new-year-2023.html
  2. U.S. Bureau of Labor Statistics, Occupational Outlook Handbook「Dental Hygienists(Work Environment)」 https://www.bls.gov/ooh/healthcare/dental-hygienists.htm
  3. Texas State Board of Dental Examiners「Registered Dental Assistant X-Ray Certification」 https://tsbde.texas.gov/licensing/dental-assistants/registered-dental-assistant-x-ray-certification/

執筆・監修:林 剛永(Kangyeong Lim / Taketo Hayashi)DDS, MS, DABOI/ID, FAAID, DAO | 日本・米国歯科医師/口腔インプラント Diplomate(ABOI/ID・AO)著者プロフィールを見る
大阪大学歯学部卒、米国 California 州 Loma Linda University Implant Residency 修了(DDS, MS)。日本歯科医師免許・米国歯科医師免許保持。米国インプラント学会(ABOI)認定専門医。

ABOUT ME
林剛永 D.D.S., M.S., DABOI
2015年 大阪大学歯学部卒業。大阪大学歯学部附属病院での研修、約4年間の開業医勤務を経て、2020年より米国カリフォルニア州 Loma Linda大学大学院に留学し、インプラント歯科学を専攻・修了。ABOI/ID(米国口腔インプラント学会)ボード認定医(Diplomate)。現在は、インプラント治療を中心に臨床に従事しています。大学卒業後、各歯科医院によって方針や治療の幅や質にとても大きな違いがあることに驚き、患者さんが自分に最もあった治療を受けられるようになる一助になればと願い、当サイトを立ち上げました。
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