ギネス記録に載る、世界最大の感染症
皆さんギネス記録に乗っている世界最大の感染症ってなんだかご存知ですか?
インフルエンザでしょうか?それとも今流行りのコロナウイルス?はたまた三大感染症と言われるエイズ・結核・マラリア?
・・・実はどれも違います。
世界最大の感染症とは…..実は歯周病なのです!
驚きましたか?まさかこんな身近に世界最大の感染症があったとは。。。
でも身近だからこそ世界最大と言われる所以なのです。
歯周病は2001年に、世界一の記録を集めた「ギネスブック」に世界中で最も一般的な病気として掲載されました。
皆さんは「ギネスブック」がなぜ’ギネス‘と呼ばれるのかご存知でしょうか?
もしかすると、ビールをよく飲まれる方ならご存知かもしれませんが、
ビールの製造会社”Guiness”の代表取締役であった、Sir Hugh Beaver氏が1954年に作成したものが、
一年に一度発行される、世界一の記録をまとめた雑誌「Guiness Record(ギネス記録)」なのです。
さて、その2001年度版のギネスブックの中には以下のように書かれています。
「世界で最も一般に蔓延している感染症は、歯周病である。我々の住むこの地球上に、歯周病に感染していないヒトはごく少数しかいない。」
との文言が見られます。
日本も例外ではなく、平成19年度の国民健康・栄養調査によると、以下のような結果となりました。
・歯周病が強く疑われる方の数 890万人
・歯周病の可能性を否定できない方 1320万人
合計 2,210万人
データに上がっている数だけでこれだけの数に達しているので、実際はもっとたくさんの方々がこの病気にかかっているのでしょう。
このように、歯周病は世界中の人々を悩ませる世界でも他に類を見ない規模の感染症なのです。
しかし、一口に歯周病と言っても、生活に全く支障のないほど初期の軽度のものから、
抜歯寸前の歯が揺れて、食事も満足にできないくらい重篤なものまで幅広くあります。
歯周病の分類の変遷と”がん”
2017年までは、歯周病はその発症年齢や、病態などによって慢性歯周炎や、侵襲性歯周炎といった名前で分類されてました。
しかし、それらの分類には収まらないものも多く、かねてより分類の修正が必要だと言う声は上がっていました。
2017年のAAP(アメリカ歯周病学会)とEFP(ヨーロッパ歯周病連盟)の合同ワークショップでまとめられた歯周病の新分類では、
歯周病は口腔がんなどのがん病変の分類と同じく、進行度、と悪性度によって分けられるようになったのです。(※日本の歯周病学会はまだこの分類を採用していません。)
これに寄って多種多様な病態を示す歯周病をより流動性を持って評価できるようになりました。
ここで、がんと同じ分類ときくと、え!歯周病ってがんと同じなの!?
と思う方もおられるかもしれませんが、大丈夫です(笑)。
がんと同じような分類のされ方をしているだけで、
そのメカニズムや症状、治療への反応性、予後は全く異なるのでご安心ください。
歯周病だけで死に至るわけではありません。
歯周病は世界最大の万病のもと
歯周病は、糖尿病や、心筋梗塞・脳梗塞、低体重児早産、骨粗鬆症、誤嚥性肺炎など、
数々の重篤な病気に関わる増悪因子になりかねないので、甘く見てはいけません。
風邪は万病の元といいますが歯周病は、世界最大の万病のもとなのです
こうした世界最大の万病の元を自分の体から遠ざけるためには、
日々のご自身での口腔内ケアと定期的な歯科医院でのプロフェッショナルケアを受けるということが必須です。
「効果的な歯磨きの方」や「適切な歯ブラシの選び方」は各項目のページで詳しく説明しております。
また、歯周病についてもっとよく知りたい!という方は「歯肉炎・歯周炎とは」の項目で詳しく説明しておりますので、よろしければそちらも合わせてお読みください。^^
それでは、また次回の投稿でお会いしましょう!!
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